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宮城県図書館だより「ことばのうみ」第15号 2004年1月発行 テキスト版

おもな記事。

  1. 表紙の写真。
  2. 巻頭エッセイ「読書亡羊」作家 伊坂幸太郎さん。
  3. 特集 きらめく文化財の世界 パート2。
  4. 図書館 around the みやぎ 塩竈市民図書館。
  5. わたしのこの一冊 「風土記御用書出」(安永風土記)。
  6. 図書館からのお知らせ。

表紙の写真。

今回の写真は、昨年10月の生涯学習月間の催し物の様子です。
図書館で開催しました「つる工芸体験会」や「地球をもっと楽しもう」の様子を写真でご紹介しています。

巻頭エッセイ「読書亡羊」作家 伊坂幸太郎さん。

読書亡羊、という四字熟語が好きです。よく覚えていないのですが、「物事に熱中するあまり、肝心なことを忘れる」とか、そういう意味合いだったと思います。どこかの羊飼いが読書に夢中になって、羊を見失ったのでしょう。その情景を想像するだけで、楽しくなります。

広大な緑の土地に、白い羊たちが草を食んでいる。たぶん季節は、春か初夏で、羊飼いは見晴らしのいい場所に腰かけている。はじめのうちこそ彼も、羊を監視しているのだけれど、そのうちに持っている本のことが気になって、ページをめくりはじめる。そのとたん、物語に引き込まれ、時間はどんどん過ぎていく。しばらくしてはっと顔を上げると、羊が消えている。「あ、やばい」

羊飼いが羊を見失うほど、面白い小説。そういう本に僕も、出会いたいと思っています。できるならば、いつか自分でも書ければいいな、そう願ってもいます。

著者のご紹介

いさか・こうたろう。作家。1971年千葉県生まれ。仙台市在住。1995年東北大学法学部卒業。1996年サントリーミステリー大賞で、『悪党たちが目にしみる』が佳作。2000年、第5回新潮ミステリー倶楽部賞を受賞した『オーデュボンの祈り』でデビュー。近刊に『アヒルと鴨のコインロッカー』がある。

特集「きらめく文化財の世界」パート2。

本館は、伊達文庫に含まれているものを中心に、1500点の絵図・地図類を所蔵しています。その中には、国指定重要文化財に指定されている『坤與万国全図(ヨミ:こんよばんこくぜんず)』をはじめとして、特に仙台藩関係のものに貴重な絵図が数多く見られます。
そのうち、『仙台領国絵図(ヨミ:せんだいりょうくにえず)』など970点が平成15年7月1日に宮城県指定有形文化財に指定されました。本館では、この文化財指定に先がけて、東北歴史博物館と共同企画で絵図の特別展を開催しました。今回の特集では、両館で展示された資料から主なものを紹介します。

  • 『御領分絵図(ヨミ:ごりょうぶんえず)』。
    幕府の要請によって作成した国絵図に対し、仙台藩が独自に藩政施行の資料として作成した絵図です。慶応元年(1865年)9月付けの末書に、元の絵図が損傷したので郡司から書き替えるよう指示があったので、元の絵図に足りない分を増補しながら写したとあります。
    この資料の大きさ:134センチメートル×209センチメートル。
  • 『御修覆帳(ヨミ:ごしゅうふくちょう)』。
    仙台藩営建造物の修復図を編纂した作事方の台帳です。最初の作成は寛文12年(1672年)で、以後延宝8年(1680年)、貞亨3年(1686年)、元禄11年(1698年)まで3回にわたって書き直されています。
    建物を黄色、水系を紺色、石造物を灰色、土塁を濃緑色などで彩色しています。
    この資料の大きさ:45センチメートル×65センチメートル。
  • 『御入部方絵図(ヨミ:ごにゅうぶかたえず)』。
    藩主が入部した際の様々な儀式等のために、家臣の配置や道具の置き場などを示した図です。部分的にではありますが、文化文政期(19世紀前半)の本丸・二の丸の主要な部屋が描かれています。
    この資料の大きさ:38センチメートル×233センチメートル。
  • 『皇国地誌(ヨミ:こうこくちし)』。『皇国地誌附図(ヨミ:こうこくちしふず)』。
    明治政府による官撰地誌です。明治8年(1875年)実質的な編集が開始され、地誌には郡村毎の地図を添付するように指示されました。しかし、大正12年(1923年)の関東大震災で原本のほとんどを焼失しています。本資料は宮城県の控えであり、本館では、地誌26冊、附図495舗を所蔵しています。
    『皇国地誌』のうち「陸前国宮城郡地誌」の大きさ:28.7センチメートル×19.6センチメートル。
    『皇国地誌附図』のうち「陸前国宮城郡実沢村」の地図の大きさ:73.5センチメートル×80センチメートル。
  • 『仙台城下絵図(ヨミ:せんだいじょうかえず)』。
    寛文年間の仙台城と城下町を描いた絵図です。町割、屋敷割のほか、侍屋敷には、居住者の氏名が記入されています。寛文11年(1671年)のいわゆる寛文事件(伊達騒動)直前の絵図で、この事件により家を絶たれた原田甲斐の屋敷など、その後の絵図には見られない屋敷が描かれています。
    この資料の大きさ:190センチメートル×164センチメートル。
  • 『刈田白石城絵図(ヨミ:かったしろいしじょうえず)』。
    白石城は、一国一城令にかかわらず仙台城と共に「城」として認められ、仙台城と同じように城絵図が作成されました。この絵図には、本丸、二の丸、西曲輪の大きさ、石垣や土手の高さ、堀の長さ・幅・深さのほか城下の町割、町名、屋敷割、街道が記されています。
    この資料の大きさ:95センチメートル×103センチメートル。
  • 『志田郡松山之内千石村茂庭周防屋敷絵図(ヨミ:しだぐんまつやまのうちせんごくむらもにわすおうやしきえず)』。
    志田郡松山(松山町)を「所」として拝領していた茂庭氏の屋敷と家中屋敷、町場を描いた絵図です。絵図は、屋敷絵図の中でも精密で鮮やかに描かれているものの代表例です。居屋敷の門構えが絵画的に描かれ、町割、屋敷割もはっきりと表されています。
    この資料の大きさ:91センチメートル×116センチメートル。
  • 『文化五年仙台藩蝦夷地警固絵図(ヨミ:ぶんかごねんせんだいはんえぞちけいごえず)』。
    文化5年(1808年)、仙台藩は蝦夷地警備のため、択捉・国後・箱館(北海道函館市)に藩士を派遣しました。このとき派遣された藩士の氏名や人数が記されています。また、この絵図は、蝦夷地全体を描き、地名、水陸両路が記されています。
    この資料の大きさ:125センチメートル×83センチメートル。

今後も本館では、県民の財産であるこれらの貴重な資料の整理・保存・継承に努めながら、これからも本館所蔵資料について皆さんに紹介していきます。

宮城県図書館と東北歴史博物館で共同企画した特別展について

宮城県図書館開催データ

「きらめく叡智と美のしずく展パート2 特別展-絵地図の世界」
開催期間:平成15年5月20日(火曜日)から5月25日(日曜日)、6月17日(火曜日)から7月21日(月曜日)
【地震被害に伴う休館のため、期間が変更になりました】

東北歴史博物館開催データ

「絵図に読み解く仙台藩」
開催期間:平成15年5月20日(火曜日)から6月22日(日曜日)

図書館 around the みやぎ シリーズ第10回 塩竈市民図書館 高橋正勝館長

塩竈市民図書館は、昭和51年に旧公民館の2階に塩竈市立図書館としてスタートしました。その後、平成3年、市街地再開発事業による再開発ビル『壱番館』の3階4階に現在の市民図書館をオープン致しました。海と船をモチーフにした館内は明るく開放的なイメージで利用者が急増しました。図書館内には工作事業等が出来る「創作室」や塩竈の歴史をわかりやすく展示した「タイムシップ塩竈」が設けられています。「楽しむ」「学ぶ」「調べる」「考える」をキーワードに図書館サービスを行っております。平成12年には、ホームページが開設され、インターネットによる蔵書検索やメールでのリクエストが可能になりました。館内にも利用者開放パソコンが設置され、インターネットやCD-ROMの閲覧サービスが開始されました。宮城県図書館を中心に各公共図書館と相互貸借を行い利用者の利便性を図りながら、今後とも身近な図書館として市民の皆様から親しまれ、信頼される図書館を目指しサービスを行って参ります。

塩竈市民図書館のご紹介

  • 開館時間:火曜日から金曜日:午前10時から午後6時まで。土曜日・日曜日:午前10時から午後5時まで。
  • 休館日:月曜、祝日・休日、毎月末日、年末年始(12月28日から1月4日まで)、特別整理期間。
  • 交通案内:JR仙石線・本塩釜駅から徒歩3分。
  • 図書館のデータ。
    • 蔵書冊数:18万2228冊(平成15年4月1日現在)。
    • 貸出冊数:31万4089冊(平成14年度実績)。
  • 住所:郵便番号985-0052 塩竈市本町1-1。
  • 電話番号:022-365-4343。 ファクス番号:022-365-4100。

わたしのこの一冊「風土記御用書出(ヨミ:ふどきごようかきだし)」(安永風土記)安永2年(1773年)から安永9年(1780年)。

安永風土記に魅せられて。
安永風土記との出会いは、60才を過ぎてからのことである。
謎の神社「二渡神社」を調べている時であった。日本地名研究所の谷川健一先生から「宮城県には安永風土記という資料があるからあたってみなさい。」と指摘され、『宮城県史資料篇1から6』をめくりはじめたのが最初である。現在の地図上で調べて行くだけでなく、風土記で江戸時代安永期の村の姿をちょっとかじって現地に行くだけでも、視点がひろがる、と感じた。その後、要害地名を探るためにも、風土記記載の仏像で、どんな作者名が有るかなど、三回ばかり目を通した。
読んでいるうちに仙台藩内の村々の肝入諸氏の真摯な記述がひしひしと伝わってくる。書式は決められてはいるが、誇張なしの自分の村の姿を報告しようとしている。
とはいえ、肝入自身の考えもかいま見える。
仏像の作者で(1)運慶御作(2)運慶御作と申伝候(3)運慶御作と申伝候事と三つの記述の仕方がある。(1)そう信じている(2)そのように伝えられてきたと距離をおいている(3)そうはいうものの本当かなあ、と書き手が思っている、息吹が伝わってくる。
安永風土記を基礎資料に、寛永の検地帳の地名、明治小字調書などを並べると、その村の変遷のようすが見えてくる村もある。まとまって、貴重な資料がすぐ手にとれるということから風土記は宮城県の宝である。村によって脱落している場所も多いが、安永風土記の資料を片手に今から三百年前の村の姿を探しながら実地に歩いてみませんかと、お誘いしたい。

今回のこのコラムは宮城県地名研究会の三文字孝司さんにご寄稿いただきました。

図書館からのお知らせ。

特別整理期間のため休館します。

資料の特別整理のため、下記の期間は休館します。ご不便をおかけしますが、ご理解とご協力をお願いします。
期間:平成16年2月26日(木曜日)から3月10日(水曜日)まで。

忘れ物・落し物にご注意ください。

最近、館内での忘れ物・落し物、コインロッカーからの荷物の取り忘れなどが多くなっています。お帰りの際は、もう一度身の回りの手荷物をご確認ください。また、館内での忘れ物・落し物で持ち主がわからないものについては、東側玄関脇のガラスケースに展示していますので、お心当たりの方はご確認ください。
なお、貴重品と傘についてはお問い合わせください。


この「ことばのうみ」テキスト版は、音声読み上げに配慮して、内容の一部を修正しています。
特に、句読点は音声読み上げのときの区切りになるため、通常は不要な文末等にも付与しています。

「ことばのうみ」は、宮城県図書館で編集・発行しています。
宮城県図書館だより「ことばのうみ」 第15号 2004年1月発行